研究成果報告 三菱UFJ信託奨学財団から助成金

2020年度に公益財団法人 三菱UFJ信託奨学財団から助成金を受け、以下の開発研究を実施しましたのでご報告致します。

 

研究テーマ 
債務者の事故・災害・不祥事の発生リスク検知ツールのアセスメント機能開発

 

研究期間    
1年間 2020年4月1日から2021年3月31日

 

研究の目的   
①信用供与を行う金融機関が債務者をリスク評価する際に役立つアセスメントツール(注:NPOリスクセンス研究会(以下、RS研という)のリスクリスク評価ノウハウを活用)の開発

 

②債務者経営層の自社内でのリスク発現未然防止にも活用できるツールの開発

 

研究内容    
①これまでにRS研に蓄積された組織と個人のリスクセンス受診結果を再分析し、金融機関の与信管理にとってより効果的な新たなポイントを得るための手法としての見直しを行い、金融機関のみならず一般企業向けにも活用できるよう改良研究を行った。

 

②更に早く組織および個人のリスク診断の結果が得られるよう、組織と個人のリスクセンス診断時の診断結果の解析作業時間の短縮化の研究を行った。ペーパー式(注:受診は、Web式とペーパー式の2種類があります)受診方式に診断シートの自動読み取り装置の導入 他 作業の効率化の施策を織り込み、従来、組織としての診断結果の報告書の提出に診断実施後30日前後要していたのを約10日間程度は短縮できる手法を開発した。

 

③組織及び個人の診断結果の分析および考察の作業は、安全管理のエキスパート、経営経験者、リスク感応度の高いメンバーによる属人的な仮説検証作業によって支えられている部分が少なくない。そのためここでは、メンバーの暗黙知の形式知化、個人に内在する知見のシステム化の研究を行った。経営センスのあるリスク感応度、経験と知見に基づいた助言、暗黙知による評価の自動化、属人化の解消、データ解析システムなどRS研の暗黙知を体系化し、無料の個人用クラウドストレージシステム(one drive、マイクロソフト社)で関係者がいつでもどこからでも活用できるシステムを開発した。

 

研究成果の検証   
金融機関での活用に先立ち、2021年度にRS研が開発し普及を進めている組織と個人のリスクセンス受診のペーパー式受診の機会(注)に、本開発の手法を適用し、報告書の作成期間が従来方式に比べ、10日間程度、短縮できることを検証した(注:1社は化学系企業、1社はIT系企業)。

 

以上