LCB式 組織の健康診断

LCB研究会

・設立趣旨と経緯

企業等の組織における各種事故や不祥事は毎日のように報道され、それらを見ると関与している個々人の問題に加えて、種々の組織要因が背景要因となっていると推察される事例が目立ちます。事故・不祥事を未然に防止するためには、組織に内在する組織要因を早期に発見し是正の方向に導くための簡易な診断システムが必要であるとの問題意識を持つ各分野のメンバーにより「LCB研究会」が2007年7月に発足しました。

・活動・研究成果

結果的に事故・不祥事発生の源となる組織要因に関する組織内各層の意識や認識のギャップが、事故・不祥事発生の主要なポイントで、このギャップを明らかにすることにより組織の問題点と改善すべき方向を示すことが出来るとの基本認識のもと、組織診断法の開発研究を進めました。さらに文科省科学研究費(2008~2010年度)に採択され、実用化研究を行い、公開シンポジウム等で幅広く議論を積み重ね、手法の有効性を確認し、「LCB式組織の健康診断®」を作りあげました。

・「LCB」について

L(Learning)とは、組織が自発的に学ぶ態度で、「L1:リスク管理(リスクを知る)」、「L2:学習態度」「L3:教育・研修」に3区分されます。

C(Capacity)とは、自らを管理・監視する仕組みと実績のことで、「C1:モニタリング組織(組織のクレーム・不適合を防ぐ独立した組織)」、「C2:監査」、「C3:内部通報制度」、「C4:コンプライアンス」に4区分されます。

B(Behavior)とは、組織の方針や目標、決意の実践された状態のことで、「B1:トップの実践度」、「B2:危険予知(KY)・ヒヤリハット(HH)」、「B3:変更管理」、「B4:コミュニケーション」に4区分されます。

「LCB式 組織の健康診断®」は以上の合計11項目にわたり診断した結果数値をもとにリスクセンス度を測ります。

診断指標 診断項目
L(Learning) 組織が自発的に学ぶ態度
L1 リスク管理
L2 学習態度
L3 教育・研修
C(Capacity) 自らを管理・監視する仕組み・実績
C1 モニタリング組織
C2 監査
C3 内部通報制度
C4 コンプライアンス
B(Behavior) 組織の方針・目標・決意の実践状態
B1 トップの実践度
B2 危険予知(KY)・ヒヤリハット(HH)
B3 変更管理
B4 コミュニケーション

「LCB式 組織の健康診断®」の実施(診断)方法

診断項目は11あります。診断者は、当該組織の上級管理職、中間管理職及び一般実務職の3つの立場から構成され、診断者自身の認識に従ってそれぞれの項目につき6段階の尺度で点数をつけます。さらに、評価の根拠となった資料・事実や問題点・意見等のコメントをできるだけ多く記述します。結果として、当該組織の“健康”状態、すなわち「強み、弱み」、「3階層間の意識のギャップ」が明確になります。この診断を定期的に実施し、弱みについて対策を講じ、その効果を確認することによって、組織の健康レベルの向上につなげることができるようになります。